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【連載】JIAデザイントーク2008

JIAデザイントーク2008

●2008年度 第3回デザイントーク
開催日:2008年11月18日(火)
コメンテーター:小笠原絵理、長田直之、本多友常
司会:青砥聖逸
発表者:影林督諭、山本武志
会場:大阪市中央公会堂地下大会議室


■影林督諭氏(安井建築設計事務所
発表作品/大阪国際大学・短期大学部 食堂棟「Kus-Kus Cafe」(大阪府守口市)/金蘭会高等学校・中学校(大阪市)

○大阪国際大学・短期大学部 食堂棟「Kus-Kus Cafe」
大阪国際大学守口キャンパス内の西門に位置する旧食堂棟の老朽化に伴う建替えである。将来キャンパス構想を見据え、学園の新たなイメージ作りに寄与する施設づくりが求められた。1階にカフェ・ショップ、2階にダイニング、3階にサロン・屋外テラスを備えた本施設は、建物全体が大きな門の構えとなり、大学の西門(ゲート)としての役割を担っている。
「とにかくおしゃれな食堂にしたい」。学園からの要望であった。大阪府守口市のまちなみ大賞を受賞している緑豊かな学園にあって、この環境を継承するとともに、施設の外部・内部に対して、明快で魅力ある建築的な特徴を創出することを狙った。学園の伝統である緑-GREEN(学園の神木であるクスノキの「木の葉」)と、学園の理念-GLOBAL(学園の理念であるグローバルマインドを地球の地軸の傾きである「23.4度の傾き」で表現)の2つのキーコンセプトをデザインテーマとした。
外観は学園カラーである茶褐色の磁器質タイルを基調とし、アスロッククリア塗装とアルミカーテンウォールの3要素で構成。積極的に壁面緑化や屋上緑化を行い、新たにリーフ(木の葉)形状のグラフィックサインで建物全体を包み込む手法を採用した。リーフは西門からピロティ、そして内部空間へと連続し、EVホールから階段、トイレ、ペンダント照明、衝突防止にいたるまでリーフサインと傾きサインを徹底し、デザイン統一を図った。結果としてこの施設全体を大きな大学のVIとして機能させている。
学生・教職員の多様な利用形態に対応するため、一人ひとりの「マイベストシート」となる居場所づくりを重視し、各階で異なるインテリアデザインとした。木質系の天井とフローリング床による暖かみある表情作りを基本に、ハイカウンター席やハイバックソファを配し、長辺が9mの巨大な三角テーブルなども計画した。加えて天井や壁面、ガラスに施したリーフによって、楽しく活き活きとした教育環境づくりを実現したいと考えた。
影林氏1
外観
影林氏2
内観
影林氏3
平面図

○金蘭会高等学校・中学校
大阪の中心梅田にほど近い福島の地で100年の歴史を持つ女子中学校・高等学校の建替えである。伝統を礎に、次の100周年に向けて新たに情報発信する学園の顔づくりが求められた。狭小で不整形な敷地条件であったため、平面的にコンパクトにまとめた結果8階建てとなる校舎は、5階に体育館、3階に講堂、1階に武道場、食堂で構成する体育館棟と普通教室・特別教室、職員室等の管理部門で構成する教育棟の2棟からなる。
「学校らしくない学校をつくってほしい」。学園からの要望であった。大阪で歴史ある建築として「縦・横の非対称が美しい」と謳われた校舎を一新するにあたり、既設校舎が持つ縦軸・横軸の伝統ディテールを継承し、外観では縦スリット窓や横連窓・横ルーバーで構成した。高層化する都市と一線の境界を創る装置として緩やかに弧を描く横ルーバーは、女性が身に纏うヴェールのように建物を覆い、しなやかで女性らしいイメージを交差点に向けて発信したいと考えた。さらに、隣接建物との視線の交錯を緩和し、点検歩廊を兼ねた庇とともに、日射を遮断・調整して熱負荷を低減している。
内部空間では、自然採光・自然換気・自然通風を無理のないかたちで享受する平面・断面計画を提案。各階の廊下に少しゆとりを持たせた2層吹き抜けのコミュニケーションホールは、上下階で交互につながり、煙突効果による効果的な空気の流れを生じさせるとともに、生徒たちや教職員との交流の場として機能している。さらに、縦軸・横軸につぐ第3の軸線として「斜線」を導入し多様に展開させた。また斜線本来の意味「アラート」としてオリジナルサインを開発。斜線を組み込んだ動きあるピクトサイン:ピクトガールは、女子高生と相まっていきいきとした生活空間を演出している。
大阪の中心に建つ校舎として街の新たな「記憶」を創出するとともに、金蘭レディの新たな舞台として、柔らかくさわやかな「フィルター」を通した街との接し方を重視し、次世代に向けた都市型高層校舎を目指した。
影林氏4
外観
影林氏5
内観
影林氏6
平面図

■山本武志氏(日建設計
発表作品/広島経済大学メディア情報センター(広島市)/佛教大学園部キャンパスセミナーハウス和順(京都府南丹市)

○広島経済大学メディア情報センター
大学のキャンパス各所に点在していたPC教室を集約し、新学科設置に伴うハイビジョン放送対応のスタジオを新設するために計画された建築面積約2,900㎡、延べ面積約7,500㎡の鉄骨鉄筋コンクリート造一部鉄骨造4階建ての建物です。
敷地は広島市街を一望できる南東斜面にあり、「この風景を活かしたい。そして教職員・学生達の心にこの素晴らしい風景が思い出として刻み込まれるような建物を造りたい。」
それが1年半前に設計の依頼を受け最初に敷地に立った時の思いでした。
大学というのは教育・研究の場であることはもちろんのこと、それに加え、学生や教職員が1日の大半を過ごす生活の場でもあります。学生達が社会に出てからも、この経済大学で学んだ4年間を思い出す時、この素晴らしい環境で学んだことを、良い思い出として思い出される空間づくりを行いたい、そういった思いで設計に取りかかりました。
広島市街を見渡す広大な風景に向かって大きな開口を設けるという考えが最初にありましたが、それだけでは風景を活かしたことにはなりません。また、コンピューター教室棟という建物の特性上、光がふんだんに入る大きな開口はディスプレイの視認性を低下させるため好ましくありません。
そこで提案したプランが、建物の中心に光庭を設け、コンピューター教室の採光を柔らかな光が得られる光庭から確保し、南と東の風景の見える面を廊下として外部側へ開放するという計画です。それによりコンピューター教室として好適な光環境が得られると共に、通常単なる通過動線でしかない廊下空間を、光溢れる語らいの場としての新たな意味を与え、建物全体にアクティビティーを創出することをめざしました。
また、建物を低層化することで3号館への影響を最小限とすると共に、今回の建設によって眺望が無くなる隣棟の1,2階部分に対しても、今回の建物との間に生まれる空間を心地の良い透明感のある中庭とするなど既存建物の快適性や開放感をできるだけ損なわぬよう配慮しました。
構造は教室を囲むRCの壁で水平力をもたせ、外周の廊下とテラス部分はサッシを兼ねた60㎜のフラットバーの柱で鉛直荷重のみを受け持たせることにより風景と一体となった軽快な空間を実現しています。
冬号 デザイントーク(山本氏1)
外観
冬号 デザイントーク(山本氏2)
4階フリーパソコン教室
冬号 デザイントーク(山本氏3)
平面図

○佛教大学園部キャンパスセミナーハウス和順
運動施設専用のサテライトキャンパスとして使われている園部キャンパス内に計画されたセミナーハウスで、建築面積約880㎡、延べ面積約850㎡の鉄筋コンクリート造一部鉄骨造平屋建ての建物です。野球部を中心とした課外活動の拠点として研修・ミーティング・合宿等に利用されています。
敷地は30m×100m程度のほぼ矩形の土地で、北側に既存のクラブハウス、南側に駐車場、東側に構内道路を挟んでグラウンド、そして西側には美しい山の緑があります。
建物の北側に玄関を設け、既設のクラブハウスとのつながりを持たせ、南側の駐車場に対しては閉じ、東側のグラウンドに対してはトレーニング室と大型の研修室を置き、双方の活動が呼応しあうことを意図しました。緑の深い山側には食堂、浴室、個室研修室を置き、落ち着きある空間をつくっています。
プラン構成は、中央に天井高のある緑に囲まれた食堂・談話スペース、そこから趣の違う2つの研修室エリアへとつながってゆきます。山の緑を見る静かなエリアと中庭や運動施設に面する2つのエリアは男性と女性、先生と学生、団体と個人など様々な使い分けを想定して計画したものです。
外観は鉄とガラスとコンクリートと煉瓦タイルといった無機系の材料の素材感を大切にし、壁面の構成からディテールに至るまでシンプルなものとすることで周辺の緑にとけこむよう心掛けました。
冬号 デザイントーク(山本氏4)
外観
冬号 デザイントーク(山本氏5)
内観(食堂)
冬号 デザイントーク(山本氏6)
平面図

■コメンテーター総評
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02:28 : 2009年「冬号」:  トラックバック(-)  コメント(-)
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