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【連載】子供と考える建築

UIA建築と子供たちワークプログラムについて

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執筆者:稲葉武司
(JIA関東甲信越支部 正会員)
(「UIA2011東京大会」日本組織委員会(JOB)学術部会)
(国際建築家連合(UIA)建築と子供たちワークグループ)

 国際連合が世界の国々の加盟により成り立っているように、国際建築家連合UIAは世界の国々の建築家の団体が加盟することで成立している組織です。
 オンライン百科事典のウィキペディアによると、「国際建築家連合は、フランスに本部を置く、世界全域の著名建築家による自主組織」であると説明されています。これがちょっと問題なのは、UIAがセレブな建築家だけの集まりのように誤解される点です。

 UIAは、民族、人種、宗教、建築上の信条を越えて世界中の建築家を結び、その属する国々を連合する目的でスイスのローザンヌで1948年に発足しました。ですから著名だとか無名だとかに関係なく、UIAに加盟している建築家団体の会員であれば、その人はUIAの一員であるということになります。
 現在UIAは124カ国、1.300.000人以上の建築家からなる世界規模のNPOであり、1.建築家の実務能力の向上 2.建築教育の向上 3.業務内容の向上を通して社会に貢献することを使命としています。
 この使命を具体的に実践するために、1.サステナブル建築 2.建築と社会 3.都市化 4.居住環境 5.文化の独自性 6.公共建築という6つのテーマを柱にして、その下に14のワークプログラムが開設されています。例えば、建築と子供たちは、2.建築と社会に属する4つのプログラムの中の一つです。
 1999年、北京で開かれたUIA大会で、これからの小中学校における建築・都市教育の重要性が議論された結果、学校における人工環境教育を建築家が支援する活動プログラム「建築と子供たち」の開設がきまりました。このときには日本建築家協会を初めとして15カ国の建築家協会がワークグルーブに参加を表明しています。
 ワークグルーブはこれまでにUIA人工環境教育ガイドライン作成、UIA人工環境教育ネットワークホームページ(http://www.uiabee.riai.ie/)開設、各国の活動紹介と交流などの成果を残してきました。また、3年毎の世界大会では、関連するフォラム、セミナー、展示などを開催しています。
 今回はこのホームページを簡単に紹介してみましょう。
 URLのuiabeeはUIA Built Environ Educationの略でワークプログラムの別称です。riaiはサーバーがアイルランド建築家協会Royal Institute of Architects of Irelandにあるからで、サイトの維持はRIAIが担当しています。フランスのメンバーによるデザインのトップページには現在30のボタンがあり、そのうち24に国名がついています。さらにそのうちの黄色い枠がついた14のボタンをクリックするとそれぞれの国のトップページが現れます。グループの申し合わせではこのページは原則として英語ということになっています。オーストリア、フィンランドなどはメインを自国語として英語バージョンがあるのですが、日本を見るとお分かりのように自国語だけのもあります。スロベニア、トルコなどのページを見ると、本当に読めたらいいなと感じますね。
 その意味で近づきやすのは、なんと言っても英語国のサイトでしょう。それだけではなく、オーストラリア、アイルランド、イギリス(UK)のホームページには、私たちの参考になることが沢山あります。
 例えば、オーストラリアにはオーストラリア建築家協会が編集した小学校向けの建築テキスト「Your House」があります。アイルランド建築家協会は「Shaping Space」という高校生向けのテキストを編集しています。写真でもご覧のように分厚いテキストは、いずれもホームページからダウンロードできるようになっています。加えて、その利用を支援する各地の建築家協会支部リストもついています。
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 イギリスのホームページはEducation and careersから始まるので、子どもの建築教育についてはサイドメニューにあるArchitects in Residenceをクリックしてください。
ここには、学校と建築家が協力して効果的に子供たちの建築教育をすめるための方法が解説されています。イギリスにおけるこの分野の実績はさすがだと実感させられると同時に、参考になる指導資料のpdf ファイルが豊富で建築と子供たち活動にとっては宝の山でもあります。
 簡単に紹介しましたが、UIA建築と子供たちホームページのもつ教育上の役割には計り知れないものがあります。けれどもご覧のように、完成までには多くのUIA会員の努力を必要としていると言う意味で、日本のサイトは一層充実させなくてはなりません。昨年のJIA京都大会で「建築と子供たち会議」が成立したことはその大きな前進です。
 UIAの「建築と子どもたち」ホームページが世界中の建築と子ども活動のポータルサイトとなる根拠は、ホームページからダウンロードできるようになっている国連「子どもの権利条約」です。子どもたちの目線と同時にこのような高い目線から建築をとらえる姿勢があれば、建築家の職能を社会が認めないはずはありません。


日本語版の国連「子どもの権利条約」は、外務省のHP外交政策>人権・人道
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html)、UIA人工環境教育ガイドラインの日本語版はJIAのHPプロフェッショナルサービス>教育文化事業 (http://www.jia.or.jp/service/bee_jia/index.html) からダウンロードできます。
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13:34 : 2010年「冬号」:  トラックバック(-)  コメント(-)
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