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【連載】住宅部会通信2010

大江一夫+吉田文男『建築家の余技の世界』
―単彩画と多彩画―


担当世話人/三木孝亮、山康弘

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執筆者:山崎 康弘(SIMPLEX)

去る6月24日、大光電機ライティング・コア大阪6階会議室において、講演会『建築家の余技の世界』が行われた。建築作品のみならず『余技』として数多くの絵画作品を創作されている大江一夫氏と吉田文男氏の両氏に、前者は水墨画、後者は水彩画の作品をそれぞれご紹介いただき、絵画と建築との関係について、コーディネイターに青砥聖逸氏を交えて語っていただくという趣旨で企画された。
当日は部会員、一般併せて38名の参加で盛会に終わった。

まずは、大江氏のプレゼンテーションが行われた。
大病を患われたのをきっかけに水墨画に本格的に取り組むようになられ、当初の作品は幼少期に過ごした神戸の山と海の原風景を題材にしたものが多かったことや、普段は建物のエスキースをするように水墨画の構図を検討して、ある程度の数の構図がまとまった段階で墨と水を使って作品を創作していることなどを語っていただいた。
そして、作品の創作を続けられるうちに個展を開かれるになり、その個展ごとにテーマを設定されて、個展を重ねられるごとに作風も少しずつ止揚を重ねておられるようで、雪舟や長谷川等伯らの作風の分析などもされており、光と影を抽象化する行為そのものへの探求心はより深遠なところを目指しておられるように感じられた。

次に吉田氏のプレゼンテーション。
吉田氏の作品は100mmx148mmのはがきサイズのものがほとんどで、その題材は想像以上に多岐にわたり、その精緻さは驚嘆に値する。兵庫県各地の歴史的な町並みを描いた作品に関して語っていただいた内容は、それだけで歴史的建造物の授業になるなるほど多くの作品を網羅されている。
そして、題材は模写や風景や仏像や魚や野菜、さらにインスタントラーメンまで広がり、夕食のサンマなどは食べる前と後をそれぞれ描くという執着を披露いただいた。
しかし、それぞれの作品に共通するのはその素材感をいかに表現するかということで、光と影、硬と柔、動と静といったものが148cm2のキャンバスの中に縦横無尽に描かれているように感じられた。

その後、青砥氏にも参加いただき、鼎談形式での講演となった。
青砥氏には両氏の異なる『余技』における、創作に対する姿勢や、「具象と抽象」に対する思い、建築作品との関係などの興味深い共通点や相違点を会場を巻き込みながら引き出していただいた。
建築家の『建築作品』と『余技』とは単純に切り離されたものとはならない、相互に深く入り組んだ関係にあるのではないだろうか。

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18:15 : 2010年「秋号」:  トラックバック(-)  コメント(-)
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